ボートで散々な思いをして到着した無人島には5~6人で来ている中年のうるさい外国人以外は誰もいなかった。
彼らはただ浜で遊んでいるだけである。
島に着いた時、運転手のお兄さんが、私達にライフジャケットをくれた。
「あったんなら乗る前に頂戴よ~」言葉がわからないお兄さんは、私がそう言っても、にこにこ笑っていた。
さすが、その島はおじさんが推したこともあって魚がたくさんいた。
おまけにナマコもいた。
グレーに黒い点々がついているのだが、シュノーケルをやっていて、ナマコに出くわすと黒い点が目のように見えて、ぎょっとしてしまう。
ライフジャケットがあると少し遠くまで行けるので、ここでは随分、魚を見た。
2時間ほど遊んだあと、大きな島に行くことになった。
一同、またあのボートに乗るのかと不安になり、島までどのくらいかと尋ねた。
お兄さんの「10分くらい」という答えにほっとしたものの、又、海面に叩きつけられるのに耐え、大きな島に着いたのである。
ここはとっても開けている島で売店も食堂もあった。
日本人の若い女の子たちも結構、来ている。SMAP風のお洒落なタイの男の子たちが、ビーチサッカーをしていて、その横では全く濡れている気配のない、黒い水着を着た日本人の女の子の二人連れが、長い髪の毛をぱさっと垂らして、パラソルの下でくねくねしていた。「うーーむ、何かエッチな匂い」そう思いながら、横目で見ていると、男の子が寄っていってナンパをしていた。
「やっぱしね」
すると、おじさんがにこにこしながらやってきた。
ナンパかと身構えたら「パラセイリング、オモシロイ。ドオ」と声をかけてきた。
「怖いからいい」「コワクナイ、オモシロイ」彼は、やろう、やろうと誘う。
「ウィーアーオールドだから、だめなのよ」と言ったら、おじさんは「ワッハッハ」と笑いながら行ってしまった。
つづく