タイのプーケット島二日目
二人の日本人カップルが遠投する食べ物を追い求めて犬達は浜辺を行ったりきたりさせられていた。それなのに3匹とも、尻尾を振っているのが情けない。
私達は明日は余ったご飯を持って行ってやろうと相談し、不愉快なカップルを見ながら、ちょっとむくれていた。
犬に食べ物を与え終えた彼らは、二人で顔を見合わせながら、サンオイルを体に塗りっこしていた。
「ねー、あなたもあの男の人と結婚して、同じことをやりたいと思う?」
「ええっ?くだらないこと言ってないで、さっさと泳いできなさいよ。ほら、また雲が出て来たわよ」「いいじゃないの。人の事なんだから、ほっときなさいって」「だって、あの二人、さわやかさがぜーんぜん、ないんだもん」
平均年齢、37歳の女6人は、あーだ、こーだと言いながらも、彼らから目を離すことが出来なかった。
おもむろに男性がバッグからビデオカメラを取り出した。そしてあれこれと指示をしながら彼女を撮影しはじめた。新婚旅行の記念だから、ビデオのひとつも撮るだろう。しかし彼の撮影の仕方は異様であった。まず彼女をデッキチェアから立たせ、着ていたTシャツを脱ぐように命じた。彼女は言われるままにTシャツを脱いだ。下に着ているのはピンクの花柄の水着と半ズボンである。
ところが彼は突然、「だめだ、もう一度」と怒り、彼女にTシャツを着るように命じ、またビデオカメラをのぞきながら、彼女に同じ動作をやりなおさせた。
今度は脱いだあとに、彼女がにっこり笑う、おまけつきであった。
そしてそれを見た彼はうんうんと満足そうにうなずき、次は半ズボンを脱ぐようにと指示したのであった。私達はそれを見て、ビックリ仰天した。ところが彼らは周囲には目もくれず、自分達の世界に、どんどん、のめりこんでいったのである。
これはまるで、単に新婚旅行のビデオではなく、エッチ系のビデオ撮影のようだった。
(今日の写真は琵琶湖でボールを投げるのを待っている熊五郎)
つづく