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タトゥー

タトゥー

うちの近所には保育所があり、午後になると若いお母さん達が次々に迎えに来ている。暑いので彼女達の服装は襟ぐりが開いていたり、フレンチスリーブだったりするのだが、そこから見える素肌にタトゥーがあった。

あるお母さんは、背中側の首の付け根に、手のひらほどの大きさの蝶々。

もう一人は右腕の肩の付け根に近い部分に3センチくらいのスミレ、もう一人は向かって右側の鎖骨の下にハスの花を入れていた。迎えに来た5人の母親のうち、3人がタトゥーを入れていて、私は正直ビックリしてしまった。

海水浴に行けば、タトゥーを入れた人も見かけるものの、ごく一般的な住宅地の中で、しかも母親のタトゥーを見るというのは、なかなか衝撃的だ。

私の世代から上はタトゥーというと刺青と同列の印象がある。若い人たちにとってはアクセサリーのようなものでも理解しがたい部分があるのだ。

私が20歳の時にピアスの穴を開けたら、母には何も言われなかったが近所の、おばさんからは「親からもらった大切な体に何をする」と物凄く叱られた。

あんな小さな穴でさえ、そんなふうに言われたから、もしもタトゥーを入れたとなったら、大騒ぎになっただろう。

独身時代にタトゥーを入れた若い女性も結婚して母親になる。

当然のことながら、おばあさんにもなる。

40~50年後にはタトゥーを入れた老婆がそこそこにいる可能性があるが、皮膚のハリがなくなった体の上で、その時もスミレはちゃんとスミレとして見えるのだろうかと、そこがとても気になっている。

スミレが枯葉になっていたら面白すぎかも??