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デブ談義

デブ談義

先日、タクシーに乗った時のことを・・・。

話好きの運転手さんで、色々と家族の話をしてくれたのだが、突然、「うちの母ちゃんったらね、色んなことをやったのに、全然、痩せないんですよ。今までどれだけ金をつぎこんだことやら。痩せるどころかね、お客さん、逆に太っちゃうんだから、もう不思議としかいいようがないよ」っと苦笑しながら言うのである。

「そんなに色々試したんですか」と聞いたら、痩せると言われている方法は、全てやったらしいのだ。

やせ薬、塩もみ、油ぬき、カロリー計算法、サウナスーツ、耳つぼへの鍼などなど、一生懸命にやっているなと思うと「あれは効果がないから他の方法に変えた。今度は大丈夫よ」と言う。

あまりに彼女が頑張っているので、彼としても「そうか、そうか」と結果を楽しみにしていた。ところが何か月かたつと、痩せるどころか、目に見えて彼女が太ってきた。「お前、太ったんじゃないのか」と問いただしてみたら、彼女は暗い顔をして「そうなの・・・」と言う。

色々ためしてみて、最悪の場合、体重が減らないのはまだ我慢ができるが、増えたとあっては暗い顔になるのも当然だ。

それも、お金を使って太ったのだから、これだったら何もしないほうが、まだマシだったと言えるのだ。

「あれは人体の不思議としか言いようがないよ。どうして痩せると言われていることをやって、太るんだ?」

運転手さんは心底、信じられないと言いたげに何度も何度も繰り返した。私は話でしかわからないが、現実を目の当たりにした彼は、首をかしげるしかないのだろう。

「確実に痩せるためのエステティックサロンは「1キロ、1万円」と言う話を聞いたことありますよ」私が言うと、彼は「え?本当ですか、それはどこですか?

本当に1キロ、1万円で痩せられるんなら払ったっていいですよねぇ」と真顔になった。

つづく