先日、歯医者に行った時のことだ。
雑誌を見ながら順番を待っていると、自動ドアが開いて誰かが入ってきた。
見るとビーチサンダルを履いた男性の足が目に入った。「ん?」と思って目を上げると、そこにはグレーのショートパンツにタンクトップではない、明らかに肌着の白いランニング姿の、じじ初心者の男性が立っていた。
ここは診察室に入るための階段が2段あって靴を脱いでスリッパに履き替えるようになっている。なので今、何人の患者が診察室に入っているのか、それと同時に脱いだ靴で男女、子供がわかるのだ。ビーチサンダルを履いているじじは、もちろん裸足だ。確かに暑いのはわかるが、どこの歯科医院でもそうだろうけれど、スリッパは共有である。裸足で病院に来る人がいるのかとビックリした。
若いお兄ちゃんなら何も考えずに裸足で来ちゃったということも考えられるが、私が何度か、その歯科医院で見かけた若いお兄ちゃんたちは、みなインナーソックスを履いていた。裸足の若者など1人もいなかった。女性もインナーソックスを履いているか、素足でやってきてもスリッパを履くときに持参したソックスを履いていた。
そのジジ初心者は、まるで家の近所のコンビニに行くような恰好でやってきたのだ。
その歳になるまで歯科医院に行った経験がないわけではないはずの、彼の薄汚い足元を眺めながら「やだなぁ、あのジジの履いたスリッパ、履きたくないなぁ」と心から思った。
履いたスリッパにマークをつけてジジ専用にするとかして欲しかった。
公共的思いやり精神に欠けたジジはどこか他の国に行ってほしい。