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内股2

内股2

小学校1年の運動会にて、自分で自分の足を踏んで転ぶという現場を初めて見て

ビックリ仰天した!!

その彼女は、真っ赤な顔をして起き上がり、又、ぱたぱたと走り出して、50メートルを完走した。恥ずかしかったのか「やだぁ~」と体をくねくねさせながら、照れくさそうに、皆が集まっている場所に戻って来たが、私は、どうして、そんな事が起きるのか、信じられなかった。

皆に見られないように、こっそり後ろを向いて、内股になって走ってみた。非常に走りにくい上に、自分で自分の足を踏もうとしても至難の業で、よくあんなことが出来ると心から感心した。

かつて内股は女らしさの象徴だった。外股歩きの女の人がいると「見てごらん、あんな風に物を蹴とばすように歩いちゃいけないよ。みっともないから」そう母親は言った。それから、よく観察していると太った女の人は外股歩きの人が多かった。確かに女らしくは無いかもしれないけれど、見ると女の人とわかるから、別にいいじゃないかと思ったが詳しく突っ込むと、両親に「お前は屁理屈ばかり言うね」と怒られるので黙っていた。

生活様式のせいでO脚の女の人が多く、無意識のうちに内股になってしまっていたのかもしれないが、そのうち、小学校の3,4年生になると意識して内股をアピールする女の子達が出てきたのである。

彼女達のヘアスタイルは、ふわふわ長く、洋服の趣味もフリフリだった。そして脚を内股にして首をかしげて人を見る。

「げぇぇ」

全く異質のタイプ出現に、私は驚いた。確かに、低学年の時も可愛らしい女の子は沢山いたが、うぬぼれとは違う鬱陶しさを彼女達は持っていて、それを恥じるどころか「かわいいでしょ」とドンドン押しの一手で攻めてくる。

一方、私はスカートを穿いて、お行儀を云々されるのが面倒くさくなって、ズボンで学校に通うようになった。

クラスに入ったとたん、男の子達から「男が来た、男が来た」の大合唱である。

そんな事を言われても泣くようなタイプではないから「うるせぇ~よー」と一喝して無視していた。

つづく