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常識、非常識

常識、非常識

我がサロンのお客様で最もご長寿な方は93歳。

小唄の師匠をされており現役で後進の指導をしておられる。彼女の話を聞いていると、いわゆる常識と言われている事と正反対の行動をとっているのに全く悪い影響が出ていないことに驚いてしまう。

この方は肌がとても綺麗で、つるつるだ。芸者さんだったので素人とは違う手入れ法もあるのだろうが、それにしてもシワも殆ど目立たず、美しい。

「何か秘訣があるのですか?」と聞いた私に「そうねぇ、昔、お座敷に出ている時は決められた化粧法があったけれど、今は特にやってないなあ。でも毎晩、お風呂に入った後に化粧はするけどね」と先生は言った。

「はっ?寝る前に化粧ですか?」私は首をかしげた。肌に負担がかかるので寝る前に化粧はきれいに落とせと言われてきたし、美容関係の本にも必ず書いてある。先生は夜、入浴して顔を洗い、化粧をして寝る。そして朝、起きて風呂に入り、顔を洗ってまた化粧をすると言うのだ。

「ずーっっとそうやってきたから、習慣になってるわね」

何十年もそれを続けてきて、肌に悪いのなら相当、ひどい状態になっていそうだが、先生の肌はそうではないのだ。

別のご長寿さんの話だが、知り合いのおばあさんは98歳で亡くなられたけれど、直前まで元気に働いていたという。みかんと梅の農家で日中は体を動かし、夜もぼーーっとしていることはなく、毎日、できる範囲で何かしら体を動かしていた。

この、おばあさんは野菜が嫌いで殆ど食べることは無かったという。

つづく