さてさて次の日は毛穴が目立たなくなるという白粉を使ってみた。

これはすごかった。今までで一番効果があった。軽くはたくだけで肌がとても綺麗に見えるし、毛穴は見事に消え去っていた。その秘密は光る粉が配合されていて、光を反射して目くらましをしてくれていたのだ。

光具合も嫌みがない。しかし、私は不安であった。

これまでの経験上、使い心地がよく効果が高い化粧品ほど、肌に合わなかった。これもそうなのかもしれないと心配していたら夕方になって痒くなってきた。

すぐに洗い落としたら見事に、そこここに赤いぶつぶつが出来ていた。

もし、これが肌に合ったら、一生物にするつもりだったのに、心からがっかりした。ところが問題が起こった。翌朝、鏡を見ると妙に顔が光っている。ルーペをつかってよーく見たら、洗い落としきれなかった粉が毛穴の奥深く入り込んでいるではないか。肌の表面がなだらかであれば、すっと取れる。しかしそこここに毛穴、それも楕円状で奥が深く、ぽっかりと穴を開けているところに微粒子の粉が入り込めば、おいそれとは出てこない。蟻地獄の穴に転がり込んだ蟻のような状態なのであった。

それから3日間、私の顔面は望んでもいないのに、きらきら光り続けていた。

つづく