冬場になると、毎年、「あーあ、また今年もあの時期が来たか」とうんざりする。
風邪をひく人が多いから仕方がないといえば仕方がないのだろうが、私は道路に痰を吐く奴をこの世で一番軽蔑しているのだ。
背後で「がーっ、ぺっ」とやられると「お前はティッシュというものを持っていないのか。小学校で「ハンカチとティッシュはいつも持っていましょう」と言われて、持ち物検査だってされただろうが」と振り返って文句を言いたくなる。
どうして無神経にああいうことが出来るのか?呆れるばかりだ。
痰を吐く奴は殆どがじじいであった。じじいは喉に痰がからみやすいし、「がーっ」と痰をたぐっても中々上がってこないから、つらいことも重々わかる。しかしなにも道路に「ぺっ」をすることはないではないか!!
私は、そういう場面にでくわすと、むっとして彼らを睨み付けたりして、痰じじいと私は犬猿の仲だった。ところが昨年末から今年にかけて新しい痰吐き人が登場してきた。
それは何と!「痰ばば」なのだ。
発音はランバダに似ているが、その実態は似ても似つかない。
「痰ばば」はとりあえず「ばば」と呼んでいるが実は、婆さんではなく、おばさんである。
つづく