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虐待と愛は紙一重4

虐待と愛は紙一重4

動物に服を着せることに関しては様々な意見が出る。

人にも色々いるように動物にも色々いる。

犬にも服を着るのが好きなのもいれば、嫌いなのもいるだろう。傍でとやかく言う問題ではない。動物と彼らの性格を一番よくわかっているはずの飼い主との間だけで納得していればいいと思っている。

「私の友達ってひどいんですよ」ある時、若い女性が言った。彼女の友達は動物が好きで、今までにも捨て犬や捨て猫を拾ってきて、育てているという。その友達が一人暮らしを始めたので、遊びに行くと子猫がいた。

「ゴミ箱に捨てられていたの」そう言いながら友達はミルクをやったり、じゃれつかせたり、かいがいしく世話をしている。その猫というのが、まだまだ小さくて、みるからに弱々しい。動物好きの人に拾われてよかったなと思っていると、友達が「面白いものを、見せてあげる」という。

何だろうかと楽しみにして見ていたら、友達が突然、子猫をすくい上げて、ぐいぐいと自分の口の中に押し込み始めた。そして口の中に子猫を入れたまま、目で笑ったというのである。あまりの事に仰天した彼女が「早く出して、早く出して」と叫ぶと、ずるずると口の中から子猫を引きずり出した。

彼女が心配して子猫の体をさすってみたが、毛が唾液で濡れて逆立っていたくらいで、ダメージはなかった。

「いつも、こうやって遊んでるの」友達はケロっとしている。

猫じゃらしやボールで遊んでやるのならばわかるが、口の中に押し込んで遊ぶなんて猫にとっては傍迷惑この上ないのではないかと彼女は怒った。

「そうかな。ミーだって喜んでるよ」友達は全然、気にしていない。

つづく