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衣食住1

衣食住1

「衣食住」という言葉があるが、私の若い頃は生活での重要な順番は「食衣住」だった。

「食」が一番なのは、子供の頃に親から唯一の家訓である、「ちゃんとした食事をしていれば、死んだ時も顔色がいい」をたたきこまれたせいである。

買い食いも厳しく管理されて、駄菓子屋に行く時も親が同伴しないと許してもらえなかった。料理好きな母親は普段の食事はもちろん、おやつまで全て手作りだったが、正直、私は市販のお菓子を食べたかった記憶がある。

私は母親のように料理が好きでもないし、得意でもないけれど、自分が納得した食材のものを食べたいとは思っているので、毎日自炊をしている。

なので優先順位が「食」なのはずっと変わらない。

ところが還暦を過ぎてからは、「衣」と「住」が入れ替わって来て、優先順位が「食住衣」になってきた。

昔は住む場所に関して、一応環境面で希望する条件をクリアしていれば建物の外見も気にしないし、部屋が狭くても築年数が古くてもよかった。

それよりも着る物への関心の方がずっと強かったのだ。

ここ何年かで、これから先のことを考え、まだ体力があるうちにと所有物を捨て続けているのだが1昨年の冬にトラック一台分の不用品を処分しても、まだ物があるのにウンザリしている。

処分した当初は、随分すっきりしたと嬉しかったのだが、目が慣れてくるとまだまだ物が多い。

つづく