「ひじ1」
中年のおばさんが腕まくりなどをすると、ひじが丸出しになることがある。
ふと目をやると、そこにはひじとは思えない形状になっていることが多い。
歳をとってくると仕方がないことではあるのだが、ひじは、かさついて、しわだらけで、おまけにたるんでいる。
ひじの部分だけではなく、半径、10㎝くらいががさがさになっている人もいる。
塩をふいて乾燥した梅干しを、つぶしてはりつけているみたいだ。
「ああなると嫌よねぇ」そう思いながら、風呂に入ったときに、自分のも調べてみた。
すると悲しいことに、何年か後には、おばさんの醜い肘になる運命の、半梅干し状態のものが、そこにあったのである。
ひじ、膝の角質とやらを取るための化粧品は、昔から売られていて中学生の時に買ったことがあった。
それを肘に塗ってぐりぐりとしていたのだが、今から思えば中学生のときは全く必要のないものであった。
どんな子でもきれいな肘をしていたはずなのに、その上に化粧品を使っていた。
そういうものこそ、今、使うべきものなのに、これまでそういうものの存在すら忘れていた。
「えらいこっちゃ・・・・」慌ててタオルでこすったりしたが、肘の表面がけば立っただけで何の効果もなかった。「ひじの梅干し化」は絶対に避けたいので藁にもすがる気持ちであれこれ試してみた。
つづく