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親子

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思春期の症状の一つに、親を嫌悪する事が、まっとうな少年少女なら必ずあるものだと思う。

私など激しく嫌悪したから、激しく、まっとうだったはずである。

あんな親には決してなるまい、親のフリを見て我がフリを直す・・・直したつもりになるのだけれど、これが又、直らない。

私が思春期に恐れたのは顔の類似ではなく、見えないものが表す、考え方や行為。押しつけがましさや、強情、一人よがり、感情の起伏の激しさ・・まだまだ一杯ある。

友達がビールを飲みながら「母親が嫌なのよぅ、もう意固地で暗いの。根がクソ真面目でさ、歳をとればとるほど、本性があらわになってさ、もう原石が露出してきた感じなの。それが、私に、そっくりなのよ。うーん、私の方が、ひどそう」

 

先日、息子がソファーにふんぞり返って「なんでだよぅ」っと私に突っかかる。

「何ででもよ」

「それじゃ答えにならんやろ、筋道ってねぇじゃん」

「あんた、義理、人情ってものが無いの?」

「義理と人情は別やろ、何で一緒にするのだ?オカンの考え方を俺は聞いてるの」

「うるさいわね~」

うるさいな~つべつべつべこべ・・・そして私はぞっとした。これって私と、そっくりではないか!!

別に問題は何でもいいのだ。何か引っ張り出して人と、あれこれ言い合うのが無常の楽しみなのだ。

親のフリ見てどころではない。子のフリ見て我がフリ直さなきゃ。

息子は、自分がうるさい奴だって気がついてない。

病院で看護師が赤ん坊を取り違えたことはなさそうだ。