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鉛筆だいすきⅡ

鉛筆だいすきⅡ

鉛筆メーカーで「鉛筆削り入社式」を行っているところがあると、テレビで知った。

新入社員がナイフで鉛筆を削るのだが画面に映った削られた鉛筆を見て、私は愕然とした。

かつての小学生が授業の合間の休み時間に、さっさと削っていた鉛筆なのに大人といっていい若者たちが削った鉛筆のひどさといったらなかった。

 

削った部分が1㎝にもならず、芯が2㎜ほどしか出ていないもの。

その反対に削った部分がやたらと長くて、芯が一㎝以上出ているもの。

文字を書くのが難しいほど、鉛筆の体をなしておらず、立体を上手に削れない。

鉛筆は電気鉛筆削りが削ってくれたし、授業ではシャープペンシルを使う。

彼らはナイフを手にして物を削る行為に慣れていないのだ。

刃物に関する考え方も、昔と今とでは変わってきている。

ふだん使っているからこそ、自分の手を切って痛い思いをするし、逆に人の痛みもわかるはずだ。

鉛筆から遠ざかると、身近な刃物からも遠ざからざるえなくなる。

鉛筆にもっと市民権を与えてほしい。

そして電動式ではなく手で鉛筆を削ろうと、私は声をにして言いたい。