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衛星放送

衛星放送

今では衛星放送のアンテナは殆どの家で当たり前の様に見かける。

ところが、当初、衛星放送とやらが始まると言う話が耳に入ってきた時、私や友達が真剣に話し合ったのは「一体、あれは何チャンネルでうつるんだろう?」と言う事であった。もともと機械には、うとい者ばかりが集まっていたので、衛星放送のしくみが全くわからない。受信するには専用のアンテナとチューナーが必要らしいと段々わかってきたのだけれど、当時は、それを一式揃えるには、お金もかかるし、場所をとるしで引っ越しが多い我が家では、あまり、ふさわしくない代物だった。

ところが、アンテナがコンパクトになった事もあり、私の周りでも衛星放送の番組に詳しい人が多くなった。しかし、私の所にはアンテナもチューナーも無いので「へぇ~」っと聞き役になるだけである。

ある時、私は「衛星放送の仕事をしている人って食事の時間が長いのよ」と衛星放送の話で盛り上がっている友達の横から口をはさんだ。

新聞の衛星放送の欄に「食のため、零時半から朝4時半まで休止」とあったからだ。私は、それを見て、てっきり衛星放送に携わっている人は忙しいので食事がつい夜中になってしまう。夜中に食事をとるついでに、まとめて休みをとるので放送が中止になると思っていたのだ。

一瞬あたりはシーンとなったが、すぐ大爆笑になった。

そして口々に無知なのはまだしも、自分で勝手にそういう話を作って、納得しているところが恐ろしいと言われ、食による休止がどういう意味なのかを教えてもらった。皆、かつては私と、どっこいどっこいの知識しかなかったくせに、ここ何年かでキチンとシステムを理解していたのである。

様々なシステムが導入されている今、何度、こういう目にあっているかわからない。私の知識が増えるのは、思いっきり、赤っぱじを、かいてからと言うのが決まりになってしまっている。