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窮屈

窮屈

自分も一応は女だから、こういう事を言うのはナンだが、女のひとってどうして窮屈な衣類を身に付けて平気なんだろうか?

学生時代はジーンズで過ごした私も社会人になった時にはスカートやワンピースや、それに必要な下着などを買いそろえた。ベッドの上に、ひとつひとつ、それらを広げて眺めていたら、「どうして女って、こんなに身につけるものが多いんだろう」っと段々腹が立ってきたこともある。

下着売り場の、お姉さんはジーンズの下で野放し状態になっている私の下半身を見て「そろそろガードルくらい穿かないと、どんどん、お尻が垂れてきますよ」と耳打ちした。22歳だった私は、それは大変と彼女に薦められるまま、お尻が垂れないガードルとやらを買った。

ところが家に帰り、試しに穿こうとしても、なかなか上に上がっていかない。

まるで鎧みたいなのだ。やっとの思いで身につけても、息が詰まりそうで、「こんな窮屈なものを穿いて仕事が出来るか!!」とタンスの奥深くしまい込んだまま、現在に至るまで2度と穿くことはなかった。

 

ところが友人に言わせると、私みたいに野放しでいるのは信じられないという。

「私なんか穿かないでいると、まるで裸でいるみたいな気がするわ。だってガードルを穿かないとファスナーが上がらないスカートだってあるのよ」

と言うのだ。彼女は学生時代にガードルを穿いて体育の授業を受け、貧血を起こして倒れたことがあるのに、いっこうに懲りてないらしい。彼女は真面目な顔をして「少しは体型のことも考えたら」と言うのだが、そぅーっと彼女の臀部を見ても、私よりは少しはマシ程度で別に目を見張るほど、恰好いいお尻ではない。

穿き続けたらモデルみたいになると言うのだったら、すぐにでも買うが、あの程度だったら私は楽な方を選ぶ。垂れたままで堂々と生きてやる。