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いい会社

いい会社

私の天使は二人。上が高1、下が小5.

電話で娘と話していると子供の進学や将来の事が多いものの、母親としての彼女達の心境の変化に驚くことがある。

幼稚園に通うようになった時、彼女達は「うちの子は物を作るのが好きだし、それに上手なの」とか、「音楽がかかると、踊りだしたりするから音感がいいみたい」などと、親バカ丸出しで私に報告してきた。自分の子供が他の子供よりも優れているものを発見したのが、嬉しくてたまらない様子だ。

「それは将来楽しみだね」と言うと口を揃えて彼女達は、こういう個性を伸ばしたいと言っていた。

ところが、ここのところ、彼女達の意見はガラッと変わってしまった。

子供を「いい会社」に入れることしか頭にないみたいなのだ。

「個性を伸ばしたいって言ってたじゃない?」と言っても「そんな事、言ってる場合じゃなくなってきたのよ。成績だって中の下だし・・・」と、とても暗い。

彼女達の意見は、うちの子は出来が悪い。だけど安定した人生を送らせたいとなると、今から親子が力を合わせ、どんな無理をしてでも偏差値の高い学校に入学し、俗にいう一流企業と呼ばれる「いい会社」に就職するしかない。そのような会社に入っておけば、我が子が仕事が出来なくても他の、優秀な人々が仕事をちゃんとやってくれる。組織の輪の中に入っている限り、安定した収入は保証されてるというのだ。

子供が小さかった頃は、それぞれの個性を発見して喜んでいたと言うのに、母親というものは、こんなにもコロッと変わるのだろうか?そのたんびに、あれこれ言われる子供は、さぞや迷惑に違いない。母親が目を△にしてヒステリックになっていても、子供は親の言う通りにならないのが世の常である。

私は子供達の反逆に、ひそかに期待している。