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スケバンスカート

スケバンスカート

私は、長いタイトスカートを穿いている女性を見ると何故かスケバンを思い出してしまう。

体にぴったり沿い、歩きやすいように深くスリットが入っていて女らしいのに、私はお洒落というよりスケバンを連想してしまうのだ。

高校に入学した頃からチラホラと校内にスケバンの姿を見かけるようになった。

彼女達にはハッキリ外見で区別出来る特徴があった。まず髪の毛を茶色に染めている。

上履きのスニーカーでも革靴でも、かかとを潰したスリッパ状態ではいている。

制服着用が校則で決まっているスケバンは、プリーツスカートを引きづらんばかりにしていたし、制服を着なくてもいい学校のスケバンは、長いタイトスカートをはいていた。

くっちゃ、くっちゃとガムを噛みながら校内を歩き、そして風邪もひいていないのに、いつもマスクをしていたのである。

授業中に先生に叱られると、休み時間にスケバンやその手下が集まって、「あの野郎、覚えとけよ」とぶうぶう言っていたり、下校途中に気にくわない他校の学生をつかまえては、小遣いを脅し取っているという噂も聞いたが、私達にはそんな事はしなかったので別に怖いとも思わなかった。

いくらスケバン軍団とはいえ、同じ学校の彼女達は、まだまだかわいいものだったけれど、他の学校の筋金入りのスケバンの風体の女の子たちは、やっぱり恐ろしかった。歳が殆ど違わないのが信じられないくらい、彼女達は老けていて、すでに子供が2,3人いるように見える子もいた。

とにかく言いがかりをつけられたら困るので、私は下校途中にすれちがっても、彼女達の方を見ないようにしていた。高校を卒業した時、私は、もうこれで、スケバンを気にしなくていいのだとホッとした覚えがあるのだ。

つづく