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スケバン4

スケバン4

スケバンと揉めることなく、一日を終えた翌日、亡霊が「3人で休憩に行っていいよ」と言った。珍しいなあと思っていると、売り場の上司がやってくるのが見えた。「さ、早く、早く、いいから休憩してきてよん」亡霊は暗いなりに、はしゃいでいた。

私達は追い立てられるように、上の階にある喫茶店に行き、ホットケーキセットを注文した。スクバン二人は、くすくす笑いながら煙草を吸い始めた。

下手に口を挟んで「うるせえな」と言われると困るので黙って彼女達を見ていたら「なんか、変じゃないすか」とスケバンが言った。

「何が?」「あの女、あいつのことが好きなんで、私らのことをおっぱらったんですよ」二人は親指を立てた。「ああ、そうか」私が感心していると「だめっすよ、ぴんとこなきゃ」とスケバンに怒られてしまった。しばらくホットケーキを食べ、ぐだぐだしていると、店が混んで来たから戻ってきてと亡霊が呼びに来た。私はスケバンを先に行かせて、お金を払ってから売り場に戻った。

彼女たちは「うっす。ごちそうさんです!」とぺこりと頭を下げた。別に空手もやっていないのに、「空手道」という言葉がぴったりしそうな態度であった。

そしてホットケーキセットをおごってもらったことで、心がなごんだのか、彼女はそれ以来、私のことを「先輩、先輩」と呼んで、なついてくるようになってしまったのだ。

彼との仲がうまくいっていないのか、亡霊がヒステリーを起こして理由もなく私を叱ることがあった。

亡霊がいなくなるとスケバン達がやってきて「あったま来るなあ、あいつ」「どうして先輩を怒るんすか」「いっちょ、ヤキをいれてやりますか」などと言いだす。

「ひぇーっ、そんなことはやめて」そう言っても、彼女達は舌打ちしながら「許せないっすよ。いいじゃないすか、一発や二発くらい。それとも根性焼きをしたろか」と真顔で話していた。

「頼むからやめて」と言って、やっと彼女達に納得してもらったこともあった。

つづく