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中高年仕様2

中高年仕様2

以前は、えいやっと両手で一抱えもある単行本を持てたのに、今ではとてもそんな事は出来ない。かつては一度で運べたのを「あぁ、重たい・・」と2回、3回と分けて運ぶ。

本屋に行って、つい本を買い過ぎると、翌日、腕が痛い。

酷い時など、筋肉痛がしてパソコンのキーボードを打とうとすると、微妙に震えていたりする。

よく考えてみたら、30冊を一度に買う必要なんてありゃしないのである。

つい便利だからそうなってしまうのだが、買ったって一度に30冊が読めるわけじゃなし、その時自分で持てる範囲の冊数だけ買えば、家に帰ってもしんどい思いをする必要はない。

買い物も二人暮らしだから、まとめ買いせずに、こまめに買いに行けば、荷物だって軽く済む。そのことに気付いたのである。

昨日も一年間に通販で買った品物の伝票を捨てる前に眺めていて愕然とした。

そのときどきで、「これは便利だな」と思うものを買っているだけだったので、まとめて見るのは初めてだった。

そこにあったのはネジ式のキャップが簡単に開けられるスイス製の道具、ドイツ製の読書用ルーペ、フランス製の度がプラス.1・00のシニアグラス、手作りの望遠鏡・・・・・まさに「中高年仕様」の品物ばかりだったのだ。

かつて海外通販の「ビィクトリアズ シークレット」でプリント柄やレースの下着を買っていたなんて信じられない。

下手にドイツ製だのフランス製だの桜材の手作りというのも妙なこだわりが見えてばばくさい。

「あーあ、本当に中高年になったのね」

再確認のために日々の我が身を振り返ってみた。

つづく