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男性の更年期2

男性の更年期2

妻の腰巾着のように付き添う男性は手芸店では陳列してある商品には全く興味を示さず、とにかく妻のご機嫌を損ねないようにと、とても気を使っていた。

また、先日は外出先の駅周辺を歩いていたら、野球の阪神タイガースの誰かにそっくりなプロポーションの男性が歩いて来た。

顔もとても小さい。体を露出するほどでもないが、それなりにフィットしたTシャツにパンツで、彼からは「ぼくってとっても体自慢」という雰囲気が立ち上がっていた。ところが段々、近づくにつれて彼の顔立ちがはっきり見えるようになって、私はびっくりした。

体つきは野球選手なのに顔が綾小路きみまろなのである。

顔立ちが似ているだけでなく、年齢もどう見ても彼と同年輩か、若くても私とどっこいどっこいの深いシワがあり、首から上と下とのギャップに「男性でもこういう人がいるのか」と感慨にふけった。

女性に対してはアンチエイジングがいわれて、一部の人々はやっきになっているようだが、彼も男性のアンチエイジングを目指している。中高年特有の体形にならないように、トレーニングをして、食事も節制しているのは明らかだ。

しかし残念ながら、顔は綾小路きみまろだ。

男性のアンチエイジングは女性よりも困難を極めそうなのは間違いない。

女性に対しては、中高年に消費してもらいたいせいか、痒いところに手が届く商品が発売されたり、精神的なケアも昔よりはなされるようになった。

しかし男性に対しては、まだまだで、外見だけではなく老いる現実についても、男性は意識が希薄なような気がしてならない。

外見は着こなし術やヘアケアなどでごまかせても、問題なのは内面のケアなのだ。

つづく