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見間違い

見間違い

先日、私の、おっちょこちょいぶりを書いたが、昨日も雑誌を読んでいたら、ある女性の談話が載っていて「うちの家族は腸が重いので云々」とあった。

「腸が重い??」私は首をかしげてしまった。しばらく考えて、きっとこのご家族は便秘体質で、腸が重いという表現をしたのだろうと自分なりに納得したのだけれど読み進んでいくうちに辻褄が合わなくなった。そして、もう一度見たら、「腸が重い」のではなく「腰が重い」だった。

老眼鏡をかけて読んでいるにもかかわらず、見間違える。すでに目の問題ではなくて頭の問題になっているのかもしれない。

私は読みたい本をネットでまとめて購入するので1週間に一度は必ず宅配の業者さんにお世話になる。その時に必要になる認め印は小さな箱に入れて玄関の靴入れの棚に置いてある。先日も宅急便が届いたので、玄関で印鑑を手にして待っていた。こちらの部屋まで来るのに時間がかかっているので、イライラしながら、ふと自分の右手に目をやると手にしていたのは印鑑ではなく、携帯用の短い靴ベラだった。「ぎゃっ」とビックリして靴ベラを放り投げ、あらためて印鑑を手にしたとたん、部屋のチャイムが鳴った。私は何食わぬ顔をして「ご苦労さまでした」などと言いながら、伝票に押印したものの、実際は冷や汗が流れていた。

一体、どうしてこんなことにと、棚を眺めていたら、前日に掃除をしたついでに、印鑑の箱と靴ベラの置き場所を変えたのを思い出した。変えたのは自分なのに注意力散漫なものだから、てっきりそこにあるものと勘違いして印鑑ではなく、靴ベラをてにしていたというわけだ。同じプラスチック製とはいえ、手にした時に、これは違うと気がつかないのが恐ろしい。

それにしてもドアを開ける前に気がついて本当に良かった。にっこり笑いながら、靴ベラを出されたら、業者さんだって仰天するだろう。

基本的に能天気な性格と加齢が原因なのは間違いないが自分で自分が情けない。

「指さし確認励行」「注意一秒、怪我一生」と日に日に、自分に対する標語が増えていく。なのに今日も不動産広告の「扉」と「尿」を見間違えて、ビックリした。どれも他人様には知られてはいないので、表立っては恥はかいていないものの、私は静かにダメージを受け続けているのだ。