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適職

適職

自分が就いている職業を「天職」だと思っている人はどれくらいいるのだろう?

私はよく「手に職を持っているから羨ましい」と言われる。

確かに私は20代から、化粧品業界に居るし、好きで続けて来たのだけれど、

当初はエステティシャンになるつもりなんか毛頭無かった。本心は専業主婦で働かないで日々、家事と本を読みながら暮らして行きたかった。

それが、いざ結婚して子育てをしていると、ノイローゼになるくらい、自分が主婦業には向いてないと言う事が判明した。家事は決して嫌いじゃないけれど、社会から取り残された様な寂しさが日々募って来て、えいっ!!っと家事を止め、子供を預けて働き始めた。

30代の頃はエステサロンを転々としていた。化粧品業界の大御所に「コロコロ、サロンを替えるのは信用を無くすよ」とも言われた。

でも私は妥協というものが出来ない性格。好きで飛び込んだ業界だったのに、いざ、蓋を開けてみると、そこはドロドロした、お金の世界。

お客様の為にと表向きは謳っているものの、実際はノルマがあり、何が何でもコースに勧誘するか、化粧品を無理矢理販売するか・・・まず、売り上げありき・・・お客様の為は後回し。華やかな職種に見えるかもしれないけれど、給料は安いし、仕事はハードだし、日々残業ばかりで、家に帰れば、バタンギュー( ;∀;)

今でも、大手のサロンは同じ様な状況で、この業界に夢を抱き、入社したものの、現実とのギャップに体も心も付いて行けず、離職するエステティシャンが多いと聞いている。

30代で小さなサロンを自営で始めた当初は、将来、何店舗も増やして行き、優秀なエステティシャンを育てるという夢があった。

でも実際、自分一人で経営していると、それは夢の、また夢で、私が本当に、心から楽しめて、ワクワクする仕事とは、あくまでも、一対一の接客である事に気付いた。

つづく