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ゆる男3

ゆる男3

公園で散歩をしている人に湯気を発見された、ゆる男は掘り出した土を穴に放り込み、大慌てで、その場から逃げ、知らんぷりをきめこんだらしい。

「まだまだあるんです」

かれは国内の出張先で、アクシデントに見舞われた。

同じ会社の後輩の女性Bさんとタクシーに乗っていた。道路は混雑していて、ほんの少しずつしか動かない。ところが突然、便意が彼を襲った。それも大渋滞の橋の真ん中でであった。

「きた・・・」

彼の言葉を聞いて驚いたのがBさんである。彼の話は聞いていて「きた・・」と言われたら、30秒後にとんでもないことが起こると、知っていた。

「えーっ、こんなところで」

場所を選ばないから、困るのである。彼は「ううっ」と体をよじった。彼女は運転手さんに「大変なんです!」っと叫んだ。運転手さんが驚いて後ろを振り返ると、彼は絞り出すような声で「トイレ、トイレ」と言った。

「この人、催したら30秒しか我慢できないんです」

それを聞いた運転手さんは「えーーーーっ」と仰天し、車の中で爆発されてはたまらないと「我慢してくださいよ、我慢してくださいよ」と言いながら、少しづつ、少しづつ車を前に進めた。

「はい」

彼も必死に歯を食いしばって耐えている。Bさんも隣で「我慢して、我慢して」と呪文のように唱えた。すると天の助けか、車が動き出した。そしてふと川を見ると、そんな所に普通ないはずなのに、川べりに公衆トイレが設置してある。

「運転手さん、あそこに、トイレがあります!」

彼女が絶叫しながら指差すと、運転手さんは「はいっ」と返事をして、ものすごいスピードでトイレの前に車をつけた。彼は転がるようにしてトイレに入り、何とか無事に事は済んだのだった。

もちろん運転手さんにはチップをはずんだそうである。

「あと、3秒遅れたら、だめでした」彼は静かに言った。

つづく