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中高年仕様3

中高年仕様3

若い頃はスーパーマーケットのスタンプサービスも「いりません」と断っていた。

ちまちまと貯めている人を、せこいと軽蔑すらしていた。

しかし今ではマイバッグを持参し、500円買うごとに一枚もらえるシールを60枚ためると千円引きになる。もう必死で集める。値段の張る買い物をして、びろーんと帯状になった十数枚以上のシールをもらうとき、家で一枚いちまい、台紙に貼っている時、「あぁ、こんなに一杯たまった・・・」と喜びに胸は打ち震える。

シールを貰って「こんなもん、いるか」とゴミ箱に直行させていた姿など、我ながら信じられない。

肌によくないと言われている口紅の色が美しく、肌に安全だと言われている口紅の色がいまひとつだったり、見て美しい靴が必ずしも履きやすいわけではない。

お洒落は我慢と言われて履きにくい靴なども脚にタコを作って履いていた時もあったが今はもう、そんな事は絶対に出来ない。とにかく気分がよくないことは嫌なのだ。

こんな私でも40代の頃、過呼吸で苦しめられた時があった。

日頃、だら~っとした生活をしている私が急に職場を変わり、とある美容室に勤めることになった。そこは京都では老舗と言われる美容室で従業員が100人ほどいた。社長はぼんぼん育ちの男性。会社の上層部は全て身内で固められていた。

老舗の本店を改装し、一階が美容室、二階がエステと着付け。

本格的なエステティックを目指すと言ってるわりには、エステとはなんぞや?など全く無知同様の経営陣。

呆れ果てた私は一からメニューも価格帯も全て変える事を提案したら、経営陣から総攻撃をくらった。

日々、繰り返すアホらしい会議の中、繊細じゃないと思っていた私の体は徐々に蝕まれ、ある日、突然、車の運転中に過呼吸になってしまった。

つづく