記事詳細

最強の方向音痴

ハイキングに行った。道に迷ってしまったら、仲間が「あっ!いいもの持ってる」と言ってリュックから地図を出して道に敷いた。

それは実物大の地図だったので私達は地図の上をどんどん踏みしめてハイキングを続けた。という夢を見た。

本当に嬉しい夢だった。私は地図と道路の関係がよくわからないので、こんな夢を見たのかもしれない。

地図は地図という紙であり、地図の中に道があり、街があり、海があり、川があり、林があり、山があり、学校があり、何よりも人を導くものであるという事がわからない。

特に道に迷って道路地図を持って途方に暮れる私を導くものであるという事がわからない。

迷ってしまったら、自分がどこに居るのかも、わからない。だから迷っている時に、地図を見ても、もう手遅れなのだ。地図が実用的で有効なものであった事は一度も無い。

20代の頃、そんな私が滋賀県にツーリングに行くハメになってしまった。しかもグループ先頭の私に地図を渡し、一行は出発した。私はしっかり、地図をにらみつけ、初めての曲がり角を左折した。そして幾らも走らない間にビリを走るように言われた。左折ではなく、右折しなければならなかったようだ。

30代の頃、友人が北区の病院に入院したと聞き、見舞いに行った。

ほぼ、40分位の場所だけれど、きっと道に迷うと確信していた私は1時間前に家を出た。1時間後、北区でタクシーを呼び止め、乗るのではなく、私の車を先導してもらっていた。グルグル同じ所を周り続け、もう、これは無理だと諦め、先導してもらったら、病院は、そこから3分もかからなかった。

アメリカ旅行の帰り、飛行機が下降しはじめ、窓から海に突き出ている陸が見えた。その時、私は地図は何て美しいものかと初めて思った。

月へ飛び立った宇宙飛行士は地球を地球儀のようだと思ったのだろうか???