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皇室

皇室

私の育った家は両親が宗教嫌いのために仏壇もなく、特別に皇室を崇めることもなく、かと言って自分達と同じとは思わず、「皇居に住んでいる方々」という程度の認識で暮らしていた。

小学校の頃、友達の家に遊びに行くと、古い日本家屋の中に天皇皇后陛下の写真が掲げてあり、お祖父さんや、お祖母さんが毎日、手を合わせているという話も聞いて「そんなことをしているのか?」と不思議に思った覚えがある。

ただ美智子皇太子妃殿下は素敵で憧れていた。他の女性皇族の方々の、お顔立ちは、お雛様顔で典型的な和顔だったが、美智子姫は品のいい日本風の顔立ちながら、どことなくモダンな雰囲気を醸し出していた。

ファッションもお洒落で、とても素敵だった。

白黒テレビで拝見していても品のよさといい、お洒落さといい、いつも後光が差しているかのようだった。常陸宮妃も明るくキビキビしていて好きだった。

ああいう全て揃った女の人が皇室に入るのだなぁと子供ながらに深く納得していた。

小和田家の雅子さんが結婚することになった時、彼女の生い立ちや趣味などをニュースで聞きかじった私は、丁度、雅子さんと同年輩の知り合いの女性に

「今の若い人の中にも、あんな全てが揃った女性がいるのね」と軽い冗談のつもりで言ったら、彼女は突然、顔を歪めて「そんなことないです。あのひとは・・」と今まで見たこともないような恐ろしい顔つきで雅子さんを罵りはじめた。別に彼女は雅子さんと知り合いでもないし、会った事もないのだが、何しろ雅子さんが褒められることが腹立たしいようで、とにかく、けなしまくるのである。

それも彼女の人間性の問題ではなく、アメリカに居た時は太っていたとか、あの時、着ていた服は靴とは合わないとか、どうでもいいことを、批判している。

噂によると、その悪口を言った彼女は、不倫のあげくに不誠実な相手に捨てられて、辛い思いをしたらしい。心情的に結婚して幸せになる女性は全て憎かったのかもしれないが、私は、あまりの剣幕にオロオロしながら、「それって単にあなたの嫉妬じゃないの?」「こわ~」っと言う言葉を腹の中でつぶやいていた。

つづく