髪の毛を釣り竿にして男の子を釣ろうとするのをやめた私は20代半ばに、ある人体実験をしたことがある。
髪の毛をだんだん短く切っていき、どの辺の長さに一番、男性の視線が集まるか、試してみたのである。あまりに長いのもダメで、一番反応があったのは、肩よりちょっと長いくらい。
ふわっとしているのがベストだった。最悪だったのはショートカットの時で殆どがスカだった。
顔立ちがどうのこうのというよりも、男性には「この程度の長さが女性として感じがいい」という潜在的なものがあるらしい。
しかし私の実験から推測すると今の若い女の子たちの髪は、無駄に長いという気がする。
彼女たちはとにかく髪の毛が汚れるのが我慢できない。
電車の中などで耳に入っている彼女達の会話を聞いていると病的なくらいに髪の毛を洗っている。
こんなに空気が汚い中を歩いているのだから相当、汚れるのだろうが、なかにはちょっと家から外に出るたびに洗髪する子もいる。半日に5回洗う子がいるというのだ。
よほど他にやることがないらしい。
そうなるとまるで頭から雑巾を垂らしているのと同じではないか?
都会の汚い空気を長い髪に静電気で吸いつけて、綺麗にしてくれている。男をひっかけたいという彼女達個人の問題よりも、もしかしたら長い髪の女の子がたくさんいるということは社会にとっても喜ばしいことなのかもしれない。
盛り場には人数も多いことだし、私はこれから彼女達のことを「街の空気清浄員」と名付けようかと思っている。