記事詳細

占い

占い

占いは若い頃だけではなく、歳をとっても気になるものだ。

20代の頃は占いのページ、特に恋愛運はむさぼるように読み、「あなたを密かに思っている男性がそばにいます」などと書いてあったなら「うふふ、誰かしら、あの人かしら、この人かしら、まさか彼では・・・」と憎からず思っている男性の顔を思い浮かべ、けけけと笑っていた。それと同時に嫌いな男性を思い出してはまさか、あいつではあるまいなと、気分がちょっと暗くなったりもした。

今から思えば、あまりに間抜けで恥ずかしい。「アホか、あんたは」と過去の自分に対してあきれるばかりだ。

アホな20代から、うん十年、60代になると恋愛論など、全く興味がなくなり、健康でいられるかとか、周囲に不幸は起きないかとか、現実的な問題ばかりが気になる。「うふふ」や「けけけ」などという、能天気な笑い声など出てこない。だいたいが「はああ~」というため息ばかりである。

中高年向けの占いに「素敵な男性があなたに首ったけ」と書いてあったとしても「ふーーん」という感想しか湧かないだろう。占いを見ながら胸がわくわくする感覚は無くなった。とはいえ、雑誌などで占いのページを目にすると、やはりどんなことが書いてあるのかと気になって見てしまう。

先日、手にした雑誌の占いのページに今年一年のラッキーアイテムが書いてあった。他の生れ月の欄をみると、レースのハンカチ、黄色の革財布、文庫本といった、いかにもラッキーアイテムにふさわしいものが挙げられている。

「いったい、私は何だろ?」と久しぶりにわくわくしながら、自分の生まれ月を見てみたら、なんとそこには「太鼓のバチ」と書いてあるではないか!!

「えっ、太鼓のバチ?」雑誌を手にしたまま呆然としてしまった。

太鼓のバチはバッグに入るのか?どこで売っているのかも分からないし、万が一、入手してバッグに入れていたとしても、緊急事態で荷物検査をされた際に、バッグからそんなものが出てきたら、一番に怪しまれるではないか。

友達と会った時に、これが私のラッキーアイテムとバッグから太鼓のバチを出して笑いをとりたい気もするが、苦笑されるのがオチだ。その結果、今年の私はラッキーアイテムなし!!

そんなものが無くても今年一年、無事に暮らしていけるのだ。ひっひーーー(^◇^)